日本のワイン醸造について話が上がるようになったのはVinitaly 2015だ。あのワインのエコーが今世界に反響を起こそうとしている。何と言うべきか。コンクールがあると時にしつこいくらいにスコットランド人のからかいの対象となる、世界中に名前が知れ渡り、万人が認め、秀逸の代名詞とまでなったウィスキー以降、SushiとSashimiが世界中でブームになって以降(何より何より)、伝統的かつあの複雑極まりない作法で頂くお茶を堪能して以降、東洋−アフリカ−西洋という味の三重奏が織りなす多国籍料理の中で、ロンドン市場ではもはやカルト的飲み物にまでになったSake以降、サクサクとした食感やスパイシーさを追い求めながら、今、日本のもう一つのムーブメントが楔のようにはまり始めている。そのムーブメントとはそう、ワインだ!
もはや日本のぶどう品種は甲州が2010年、マスカットベリーが2013年のデータにてOIVWによって広く知れ渡るところとなっている。これが意味するのは、ワインに関する様々な条件が時間をかけて整ったことで、国内市場での評価、またアジア圏においてメディアの注目を集め始めたということが言えるだろう。

日本の戦略は世界中でワインを販売するというわけではなく、また、彼らの味覚が自発的に受け入れられるということはほぼないだろう。どういうことかと言うと、まず第一歩として、ビールの国内消費量の減少により(2014−2015年の1年間で10%減少している)、ワインに、特にフランス産ワインに再び注目が集まったことが挙げられる。そして今、日本では少しでも日本という独自性を出すために、国産ワインは和食にこそ合うというプロモーションが行われている。さあそこでこのテリトリー性に新しいワインメーカーたちの直感が働いた。1社は販売も製造も手がける大手企業サントリー、そしてもう1社はよりワインに特化しインターナショナルに展開しているシャトー・メルシャンだ。現在は山梨県と長野県以外にもワイン生産の先端として2つがそれぞれ個性を発揮している。その県とは山形県と新潟県だ。
マスカットベリーと甲州、この二つのブドウ品種のそれぞれの特徴についてはここでは触れないが、マスカットベリーはベリーとマスカット・ハンブルグに由来する交配品種で、甲州に関しては日本で1,200年以上も前から存在する品種と言われ、地域を代表する国内観光の目玉としても、土着品種として確立しようとしている。狙いは、ブドウ栽培地域周辺の観光活性化であり、多くの人々がこれが最優先事項だと考えている。それはなぜかというと、周辺は秋になるときれいな紅葉が見られ、あたりは一面秋の香りに包まれ心奪われる。そして何よりもあの美しい富士山がある。メガロポリス東京からも近いため、ワイン生誕の地とすることができれば、目的の半分は達成されたようなものだろう。
私たちヨーロッパ諸国の立場からすると、この二つのブドウ品種、特に、国内市場をガッチリ掴んでしまった印象さえある甲州のさらなる発展に着目している。私たちのワインは −なりたてのソムリエが誇らしげにこう断言する −口の中に残る寿司の甘みを洗い流し、天ぷらの脂分を取り去り、ボリュームのあるお好み焼き(キャベツ入りオムレツと言ったところか)を食べても胃もたれすることがない、と。ついにはいくつかの極上のラーメンと甲州の白は目から鱗、相性抜群と言うことだ。元々甘みがあるのが特徴のマスカットベリー黒い果実ーはそのルックスを変え、辛口に移行しつつある。がしかし、まだ甲州のような五感による分析のステータスにまでは達しておらず、というわけでこの話はまた数年後。

Club AIS Tokyo(2016年1月25日)

元記事はこちら→Enologia dal Sol Levante
AIS(Associazione Italiana Sommelier/イタリアソムリエ協会)のblogに掲載された記事を翻訳。